今更ながら「山犬」観劇レポ
8月の半ば。
1通のラインの通知が来た。
しばらく見なかったチワワのプロフィール写真・・それは高校の時の演劇部の先輩からであった。
1個上の先輩は「劇団鹿殺し」という劇団で役者をやっている。
上京して既に10年は過ぎたであろうか。
大阪で芝居をやるから、見に来てくれとの連絡だった。
チケットの売れ行きがあまりよくな
かったのかもしれない。
先輩は、当時から普通の高校生じゃなかったし、変に大人びてたし、変人だったし、学校来なかったし、中退しちゃったし、生きる道が演劇しかなかったんだと思う。
でも演劇に懸けてそれが今でも続いて、ある意味夢をかなえた先輩はすごいと思う。
そんな事を思い、先輩を久々に見たくなったこと、キャストに元AV女優の森下くるみ
(調べたらAV界の大マグロで一世風靡した、と加藤鷹のインタビュー記事で読んだ。因みに二人とも秋田県出身は何の因果だろう。)
そして、鳥肌実が出るという事で俄然興味が湧いて
観に行くことにした。
できるだけ前で見たい!と言ったら2列目をとってくれた先輩。
久々に見る小劇場。
独特な臭いのあのスモーク。
強烈な個性を放ちながら、汗だくの役者たち。
鳥肌実を生で観るのは初めてだったが随分肥えていてびっくりした。
でもやはり目つきが普通じゃない。
森下くるみさんはとてもかわいらしい人だった。
そして、久々に見る先輩は相変わらず金髪だった。
相変わらず唾を飛ばしまくってた。
距離が近すぎて目が合いそうで直視できなかった。
30代で金髪で小劇場をやってる先輩を、世間ではどう言われようと、
やっぱり尊敬せずにはいられない。
先輩の実情とか全然話してないから知らないし、きっと苦悩もあるんだろうけど。
先輩の姿を目で追いながら私は演劇を生業にできなかった代わりに、自分を表現できる何かを今でもずっと探し続けてるんだなぁという事に気付かされた。
一度でも演劇に携わってしまった人は、そういうものをどこかで探しているって事はあると思う。
それ程演劇は一度味わってしまうと抜け出せない。
社会人になってからも演劇に携わってはみた。
でも今そんな体力と気力がない。
どんどん選択肢がなくなっていく中で
自分で自分を小さく囲ってしまってるのはわかってる。
30手前の現在、既に数年前とは体力も気力も衰え始めてる。
さあそんな何かが私に見つかるのか。
見つけられずに即身仏か。
姉の言う、「ポジティブ」という言葉に苛立ち、眩暈さえする。
マイナスマイナス、時々浮上。(自分のごく小さい世界での喜び)
またマイナス。
やはりいろんな表現者が言ってる通り結局「表現」するには「希望」の
メッセージ性が必要とされるのだけど。
自分なりの希望を見いだせるか。
結論。
とにかく、今していることを続けてみよう。
そんな調子のいいことを言いながら、
なかなか今モチベーションが上がらなくて困ってるんだけど。
やらなきゃと思うとむしろやらないし続けてると不安に襲われるし。
もうわからない。
とりあえず今日はもう寝よう。